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洛陽城推理譚
双子幻綺行
ソウシゲンキコウ
著者名 森福 都
在庫なし

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ISBNコード 4396631855
判型/頁 四六判/288頁
価格 1,870円(税込)
発売日 2001/02/08

美貌の双子兄妹が立ち向かう「優雅な陰謀、華麗な流血」才知と勇気、歴史と謎…珠玉の推理傑作集!
「満開の牡丹のごとき酔い…みごとにやられた!」田中芳樹氏脱帽

<躑躅(つつじ)の花は杜鵑(ほととぎす)が啼(な)きながら吐いた血が滴(したた)って真紅に染まる>水面(みなも)の紅(あか)は無数に群れ咲く躑躅の花びらだけではない──洛陽(らくよう)城内の庭園で、宮廷付き美人歌手の死体が池の畔(ほとり)で見つかった。
杜鵑が啼く春の惨劇は三年続き。事件は、躑躅の別名杜鵑花(とけんか)にちなみ、『杜鵑呪(じゅ)』と呼ばれて、宮中を震撼させる。同じころ、則天武后(そくてんぶこう)の名で知られる女帝・聖神(せいしん)皇帝の寵愛を、深くその身に受ける王兄弟が失踪した。二つの事件を追う若き宦官(かんがん)・馮九郎(ふうくろう)と双子の妹香連(こうれん)が到達した意外な真相は?(第一話「杜鵑花」)
大唐(とう)帝国初頭、ひととき洛陽に咲いた周(しゅう)朝の下(もと)、美貌の双子兄妹が立ち向かう妖しい古都の事件の数々。珠玉の推理傑作集!

「満開の牡丹のごとき酔い。みごとにやられた!」作家 田中芳樹
中国のロココ時代ともいうべき女帝・武則天(ぶそくてん)の治世。優雅な陰謀と華麗な流血のただなかを駆けぬけていく美しい双子の兄妹がいた。たのむべきは才知と勇気。そしてたがいの信頼のみ。
花の都・洛陽(らくよう)に展開する歴史と謎の物語は、設定からして魅力的だが、読みすすむにつれ、満開の牡丹(ぼたん)のごとく人を酔わせてくれる。一字一句ごとに、舞台となった土地と時代の香りが立ちのぼってくるようだ。
読者としての幸福を満喫(まんきつ)できただけでなく、同業者としては主人公兄妹の歴史上の正体もふくめ、みごとにやられたという思いがする。作者の現在に脱帽するとともに、その将来に畏敬(いけい)の念を禁じ得ない