世界経済の鍵を握るアジア市場 ディールに挑む三人の東洋人
タイ・バーツ暴落、通貨危機・・・その時、何が起こったのか?
混沌として生命力に満ちたアジアを、マネーを軸に見事にドラマ化した。国際通貨の現場にいる黒木のペンは生々しく、冒頭から読者を捉えて放さない。これはまさに、期待の大型新人のおもしろくてためになる小説である。
佐高信氏(評論家)
金融戦士たちは、高慢かつ冷酷である。かくあらねば、生き抜けない。本書には、過酷な金融戦争と、市場に翻弄される国際金融マンの姿が、実にリアルに描かれている。
服部真澄氏(作家)
国際金融を知る上で、100冊の経済解説本よりも価値がある。アジア通貨危機の舞台裏で攻防を繰り広げるビジネスマンたちを照射した傑作である。
浜田和幸氏(国際政治学者・『ヘッジファンド』著者)
三氏絶賛!圧倒的スケールで描く、堂々1000枚!
新興国市場として急成長を続けるアジア市場。90年代半ば、邦銀でアジアを担当していた真理戸潤は、ドイモイ政策で外国投資ブームに沸くベトナムの事務所開設を託されハノイに赴任した。一方、アジア市場で急成長を遂げ、勇名を轟かせる香港の新興証券会社があった。その名は「ペレグリン(隼)」。同社の債券部長アンドレ・リーは、アジアの王座への野心を胸に、インドネシアのスハルト・ファミリーに近づいて行く。賄賂が横行する共産主義体制下で、事務所開設に四苦八苦を続ける真理戸は、邂逅した日系商社マンから、ベトナムの巨大発電所建設のファイナンスを持ちかけられた。約6億ドルのビッグ・ディール落札を目指し、熾烈な闘いを繰り広げる各国の企業連合。真理戸と日系商社の前に、アジア・ビジネスの暗部を渡り歩く大手米銀のシンが立ちはだかった・・・。やがて迫り来るタイ・バーツ暴落と通貨危機。その時市場では何が起こったのか?そして三人の東洋人のディールの行方は?