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李園の野望
楚国簒奪
ソコクサンダツ
著者名 桐谷 正
在庫なし

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ISBNコード 4396632096
判型/頁 四六判/344頁
価格 1,980円(税込)
発売日 2002/06/17

中国古代の凄まじき世界
血の凝縮と王権剥奪に賭けた兄と妹の野望とは

血の凝縮とは――兄と妹の凄まじき王権剥奪への道
中国古代小説の新境地を拓き新たな伝説を誕生させる渾身の一作!

『楚国簒奪』の背景
趙舞(ちょうぶ)に秀でた絶世の美女・妹の舜華(しゅんか)を楚(そ)の後宮に送り込み、実権を掌握せんとする李園(りえん)の野望は、呂不韋(りょふい)が実子の政(せい)(後の始皇帝(しこうてい))を秦(しん)王に即位させて秦を奪い取った事例と、ほぼ相似の関係にある。本書は李園と舜華の兄妹がたどった血の宿縁、王権簒奪に至る道筋を、随所に歌を織り交ぜて綴ったものである。 (著者)

李園は腹の中で笑みを浮かべた。
(案の定、春申君は心をそそられはじめたか。舜華が春申君に召されようと、また、考烈王の後宮に入ろうと、それは天の采配に委ねるとして、わしと舜華の人生がこの楚で大きく変わることだけは間違いなさそうだ)
李園は本心とは裏腹に、いかにも恐縮したようにこたえた。
「分かりました。折りを見計らいまして、ぜひとも妹の舞を……」
(第二章 秘話より)