波幣の極みにある燕を見事に再生した郭隗の賢人招致策は現代に至ってもなおその光彩を放つ
まさに驚嘆すべき叡智が春秋・戦国時代にあった。孟子、荘子ら緒子百家に名君、名将、賢士らの為政、思想的営為を悠然たる筆致で鮮やかによみがえらせる<中国古代小説>
――故事「まず隗より始めよ」――とは
――いま、大王が心から士を招きたいとお考えでございますなら、まずこの臣、隗よりお取り立てになってください
(これが<まず隗より始めよ>の語源である)。
臣は無名であります。臣より秀れた天下の士たちは、敦隗とは何者だと問い、次には名もない敦隗ですら取り立てられたのだ、自分たちであればもっと重く取り立てられるであろう、と千里の道を厭わず陸続と我が燕にやってまいりましょう。
(本文、「隗より始めよ」より)