【メタンハイドレート】
メタンガスが高圧低温で水分子に閉じ込められ
シャーベット状になったもので、
大陸沿岸の海底下や凍土地帯など世界中に広く分布。
日本周辺でも存在が確認され、
国内天然ガス消費量の約100年分と推定される。
燃焼時のCO2排出量が少なく、
夢の次世代エネルギーとして期待されているが……。
燃える氷=メタンハイドレート
究極の経済回復プランに陥穽が!?
列島炎上!
夢の次世代エネルギー開発に警告を発する
サスペンス巨編誕生!
『日本沈没』の興奮ふたたび!
「あれは悪魔の物質だぞ」
「ターニング・ポイントといってもいいでしょうな。このプロジェクトに踏み切るかどうかに国家の未来がかかっている。学者先生の都合を優先すべきときではないでしょうね。どうです、電力やガスの皆さんは?」
船は激しく揺れ、悲鳴のように軋(きし)む音を立てた。
それは悪魔の物質か、人類への福音か―――
雑誌編集者の上杉俊介は、日本沿岸の海底下に天然ガス100年分もの量が眠る新燃料メタンハイドレート開発の実態を追う。長期にわたって低迷を続ける日本経済を劇的に救う次世代エネルギーに、政府や産業界が寄せる期待は大だった。だが一方で、採掘が地球環境に及ぼす致命的な悪影響も懸念されていた……。
そしてついに商業化強行が決定した矢先、駿河湾を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生し、さらに富士山までが不気味な鳴動を始めた! 夢の新エネルギーは破滅への道なのか? ビジネス小説の第一線に立つ著者が、日本のエネルギー政策に警告を発するサスペンス巨編!