故笹沢左保氏が最後に絶賛した時代小説の新鋭
「ひねりを効かせたラストに並々ならぬ手腕を感じさせる」
文芸評論家・清原康正氏評
それぞれの主人公たちは、幕藩体制の矛盾がもたらした時代の流れの中で、自らの生きざまを選択せざるを得ない状況に追い込まれていく。・・・(中略)・・・主人公たちの女性への思い、仲間との連帯意識なども、細やかな筆致で描き出されている。ここに描かれた若者たちの喜怒哀楽のさまには、時代を超越した普遍性と不変性を感じさせもする。この点でいえば、青春成長小説の魅力もある。・・・(中略)・・・ひねりを効かせた設定がラストに用意されているところにも、この作者の並々ならない手腕を感じさせる。(清原康正・解説より)