私の祖父は実行犯なのか?
戦後史最大の謎。半世紀を超えてついに核心に迫る親族の生々しい証言。
「約束しろ。おれが死ぬまで書くな!」
祖父の盟友にして某特務機関の総師は言った。真相を知る祖父の弟、妹、そして彼も没した今、私は当事者から取材したすべてを語ろう。
「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない・・・・」
祖父のニ三回忌の席で、大叔母が呟いた一言がすべての発端だった。昭和ニ四年(一九四九)七月五日、初代国鉄総裁の下山定則が三越本店で失踪。翌六日未明、足立区五反野の常磐線上で轢死体(れきしたい)となって発見された。戦後史最大のミステリー「下山事件」である。
陸軍の特務機関員だった祖父は、戦中戦後、「亜細亜産業」に在籍していた。かねてからGHQのキャノン機関との関係が噂されていた謎の組織である。
祖父は何者だったのか。そして亜細亜産業とは。親族、さらに組織の総師へのインタビューを通し、初めて明らかになる事件の真相!