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山本五十六と参謀・黒島亀人
遥かなり 真珠湾
ハルカナリシンジュワン
著者名 阿部牧郎
在庫なし

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ISBNコード 4396632576
判型/頁 四六判/416頁
価格 2,090円(税込)
発売日 2005/11/18

海軍きっての名将と彼が最も信頼した奇人参謀――
日本の命運を決した
二人の知られざる絆!
海軍伝統の大艦巨砲に抗し、世界初の機動部隊で
飛行機による大作戦を為した男たちの栄光と悲劇

ぎょっとして伍長は立ちすくむ。後続の数人も息をのんで足をとめた。全裸の中年男がぬっと闇のなかからあらわれたのだ。……
「せ、先任参謀、ご苦労さまであります」
ようやく気づいて伍長が敬礼し、一同もならった。
はじめて黒島(くろしま)は現実に立ち返った。状況に気づき、いそいで右手で胯間(こかん)を握った。……
「先任参謀はすごい人だぜ。作戦立案に熱中して、ブラ金(きん)で艦内を歩いちまうんだからな。艦隊の命運をあずかる人は、あれだけ職務に集中するものなんだ」 ……作戦が実施される以前に、黒島亀人(かめと)は連合艦隊の一種の英雄であった。(本文より)

<山本五十六(やまもといそろく) 海軍大将(1884〜1943)>
新潟県生。海兵32期。海大卒。米国駐在をへて航空本部長などを歴任中、飛行機の将来性にいち早く着目。'39年連合艦隊司令長官となり旧来の海軍戦略を覆(くつがえ)す数々の名作戦を敢行。'43年南方基地を視察中、ソロモン諸島上空で戦死。死後、元帥(げんすい)。

<黒島亀人(くろしまかめと) 海軍少将(1893〜1965)>
広島県生。まずしい家庭に育ち独学で海兵(44期)を卒業。海大卒。有数の砲術家として知られるが地味なポストが続く。海大教官等をへて独創的な戦略家に成長。'39年連合艦隊首席参謀に抜擢され、山本の下(もと)、作戦立案を担当する。長官の死後、軍令部第二部長として特攻兵器の開発に関与。戦後、宗教研究などで暮らした。