野良猫くろべえはお婆さんに聞きました。
僕にも、何か役目があるの?
僕は、誰かの役に立ってるの?
<阿木燿子さんも絶賛!>
「信頼関係で結ばれたピュアな魂のぶつかり合い――このお話には、懐かしいもの、優しいものが沢山詰まっていて、読んだ後、心がふわっと暖かくなります」
ピュアな魂のぶつかり合い―――阿木燿子
ハラハラドキドキとわくわくどきどきが重なって、こんな切ないお話になるなんて、作者のますふじ圭さんは只者ではありません。頁を追うごとに“ますふじワールド”に搦(から)め捕られ、一気に読んでしまいました。
主人公のくろべえは雄の野良猫ですが、こんな人間の男性が居たら素敵だろうな、と思わせてくれます。男気があり、気風が良く、鯔背(いなせ)で、心優しい。しかし、現代の日本では、そうそうお目に掛かれるタイプではありません。
だからこそ、くろべえと棒のへのじの友情が胸に染みます。強い信頼関係で結ばれた、ピュアな魂のぶつかり合い。これも今の日本で、失われたもののひとつかもしれません。
このお話の中には、懐かしいもの、優しいものが沢山詰まっていて、読んだ後、心がふわっと暖かくなります。