優等生の兄の“想い人”は、なんと男だった!
「しょうがないだろ好きなもんは!」
少年が大人になってゆく…
ビルドゥングスロマンの傑作、待望復刊!!
高校1年、佐藤誠一(さとうせいいち)のコンプレックスの原因は、生徒会長で優等生の兄・貢一(こういち)。その兄の想(おも)い人(びと)は、なんと男だった!
兄の大親友で生徒会トリオの柴田(しばた)・南(みなみ)にかまわれていた誠一は、兄の片想いの相手が柴田だと知り、彼にキスされたり抱きしめられたりするたびに、からかわれてるだけだ…と思いつつ、自分も次第に惹(ひ)かれていくことに戸惑(とまど)う。一方、友情と愛情の境界線で揺れ動き、いらだつ柴田に対し、貢一は「しょうがないだろ、好きなもんは!」と、面と向かって気持ちをぶつけるのだった。受験戦争まっただなか、兄達の“問題”と自らの不可解な恋心に悩まされながら、誠一は、このアンバランスな『ゲーム』に巻き込まれてゆく―――。
*本書は1997年に一水社から同タイトルで発売されたものと同じ内容です。