嫉妬と妄想の果てに暴走する女の冷徹な狂気
小説家として、またエッセイストとして幅広く活躍する岩井志麻子が放つ、戦慄のサスペンスノベル。週刊ポストにて大反響を呼んだ連載小説『愛人の記録の散逸』に大幅な加筆改稿を施し、改題した単行本です。
社員旅行で起きたレイプ事件をきっかけに、その加害男性と不倫関係に陥り、やがて妄執の虜となって男とその関係者を追い詰める主人公・彩子。物語は彩子の果てることのない肉欲と、おぞましいほどの自己顕示欲を柱に、殺害から遺体解体作業、さらにはあくまでも殺意を否認する裁判、懲役16年の獄中生活、そして社会復帰を果たしたその後までを綴っていきます。嫉妬と妄想の果てに暴走する女の狂気と欲望を描ききった岩井作品の集大成です。
編集担当者からのおすすめ情報
女性に潜む狂気を徹底的にあぶりだした本作は、その場しのぎでやり過ごす優柔不断な世の男を震え上がらせること必至です。不倫願望のある諸兄、もしくは現在不倫中のご同輩はぜひこれを読んで襟を正すことをおすすめします。もちろん、一途さゆえに自身を見失ったことがある女性にもうってつけ。目をそむけたくなるような女性ならではのダークサイドを再認識できますよ。