許されぬ愛にもがく二人…。究極の恋愛小説
大学3年生の夏を、夢も希望も目標もないまま迎えた江崎澄雄は、退屈しのぎに携帯の出会い系サイトにアクセスした。そこでジュリアと名乗る発信者とやり取りを重ね、今まで親友にさえ話したことのない、母親の死について告白した。そして、メールで送られてきたジュリアの写真が、母親そっくりだったことに衝撃を受ける。横浜で初めて会って、恋に落ちてしまう二人。しかし、お互いの環境や境遇は極端なまでに違っていた。澄雄が外資系投資銀行の社長をしている父、義母と六本木ヒルズに住む一方、父子家庭のジュリアは家が借金まみれで、昼も夜もなく働かなくてはいけない。両家から反対されながらも、愛情を育んでいく二人だったが、ある日ジュリアの父親が脳出血で倒れてしまう。