満場一致! 第九回小学館文庫小説賞受賞作!
昭和19年横浜。真砂代は、銭湯「くじら湯」を営む祖父と二人暮らしをしている。自分の容姿には、どうしても自信が持てない。知人の仲介で望みもしない見合いをしたところ、相手の男性はほとんど話もしないうちに席を立ってしまった。男性にはずっと思い続けている貴子という年上の女性がいるらしい。真砂代はひょんなことからその貴子と知り合い、日中限定で家事を手伝うようになる。貴子は戦争が終わったら、海をわたりパリで絵の勉強をするのだという。その先進的な考えや行動に戸惑いつつも、真砂代は少しずつ彼女に引かれてゆく――。
戦争に翻弄された女性二人の人生を緻密な筆致で綴るロマン・ミステリー。