うつを克服した人気脚本家が挑む初小説
うつ病の主人公(男・32才)はただひたすら、死ぬことを考えている。ある日、死に場所としてはいった近所の廃屋で、偶然見つけた、7通の手紙。それは、過去に、郵便局員に破棄された手紙の束だった。彼は思いつく。「オレが全部配達してやる。配達し終えたらそのご褒美として、ラクになろう」――彼は死と、その痛みを先延ばしする口実を、朽ちた家で見つけたのだった。
7通の手紙を律儀に配達し、そこに込められる悲喜劇に遭遇し、彼は久しぶりに心の揺らぎを感じる。それは自殺をやめる動機に繋がるのか。それとも……。
神経症の時代に送る、読む抗うつ剤的小説。