だれにも知られたくないことかもしれないの
昭和初期。群馬で育った幼馴染みの敬一郎、ヨネ、伊作はいつも一緒だった。それぞれの想いを胸に秘めたまま、太平洋戦争が三人の運命を大きく変えていく。
敬一郎と伊作は海軍に入り、くしくも同じ艦爆機で出撃、不時着した無人島で一人だけが生還した。
それから80年ーー。
ヨネは孫の翔太に「死ぬまで“生き恥”を抱えて生きていく」と言う。
新聞記者となった翔太は、祖父が不時着した無人島に「骨」と「文字」が残されていることを知る。
元朝日新聞記者が描く、人間の業に迫る戦争ミステリー。
【編集者からのおすすめ情報】
『だから殺せなかった』、『あなたに心はありますか?』、『七人の記者』と、社会派ミステリーで人間の心の深淵を描いてきた著者の最新作です。
今作で著者が挑んだのは、新聞記者時代から長年取材を重ねてきた「太平洋戦争」です。
描かれるのは、歴史に名を残す人物ではありません。戦争に巻き込まれた市井の人々が、何を選び、選ばざるをえなかったのか。そして、その選択によって背負うことになった「罪」と「恥」です。
戦後80年を経た今だからこそ、見えてくる真実があります。それは歴史上の大事件の裏側ではなく、普通に生きていた一人ひとりの胸の内に隠されてきたものです。
長年にわたる取材を礎に、著者はまるで実際にあった出来事であるかのような圧倒的なリアリティで、その人生を紡いでいきます。
著者の最高傑作が誕生したと、担当編集者として確信しております。