ぬか床に隠された、母のやさしい素顔
何年も音信不通だった母が亡くなったという報せを受けて、瀬戸内海に浮かぶ島を訪れた槙生。職を失ったばかりの槙生は、自分より年下の母の夫・伊吹と出会い、しばらく家に住まわせてもらうことに。生前母が営んでいた「スナックかえで」を手伝いながら、祖母から引き継いだぬか床で漬けたぬか漬けを常連客たちにふるまううちに、槇生は母の意外な素顔を発見する。
「ぬか床の中には神様が住んでいて、優しく語りかけることで味がまろやかになる」──。
人生の悲しみも苦しみも、温かい島の風とぬか床の香りが癒してくれる。一編一編、読み進めるごとに心が温まっていく感動作。
【編集者からのおすすめ情報】
平野レミさん&上野樹里さん母娘が推薦コメントを寄せてくださいました!
「血がつながらなくても、味でつながれる。肩肘はらなくていいのよ」
──平野レミ(料理愛好家)
「人生も美味しい糠漬けになぁれ!菌活も人間関係も複雑で奥深い」
──上野樹里(女優)