ゲイカップル、お受験にいどむ!
セレブ一家に生まれた秋は、同性パートナーの哲大と静かな日々を送っていた。しかし、急逝した実父に2歳の異母弟、蓮がいたことが判明した。蓮の後見人となって哲大とともに「家族」をはじめることを決意。3人は名門私立小学校への受験を試みる。それは世間の偏見とのたたかいでもあった。
血縁も地縁も希薄になりつつある現代――家族とは何か? つながりとは何なのか?
「母からは、俺たち3人は家族ごっこだ、って言われた。だから、養子縁組もしたんだけどね。でも家族ってなんだろ、って思うよ」
秋たちの切なる問いは、私たちの当たり前を優しく揺り動かす。
「お受験界」というある種特殊な社会に醸成された独特の習わしをここまでリアルに披瀝した文章を私は知らない――解説・南美希子氏(エッセイスト)
【編集者からのおすすめ情報】
本作をもって、小佐野彈氏は小説家として覚醒したと考えます。歌人として着実にキャリアを重ね、これまで純文学を中心に小説を発表してきた同氏ですが、自らの来歴を私的な物語としてではなく、長篇かつエンターテインメントとして昇華させたことは、きわめて大きな意義を持ちます。同氏の今後のさらなる飛躍を予感させる一作、ぜひご覧ください。