子どもの貧困率――OECD加盟25ヶ国中10位
教育への公的支出―ギリシャ同様、世界最低水準
子どもたちはここまで追い込まれている
●親の所得が低いと、算数の点数は明らかに下がる
●よつんばいになって教室に入る小学生
●小中学生が1年間にテレビを見る時間は授業時間の倍以上
●3+5=8がどうしてもわからない小学生……
なぜ、こうなってしまったのか?
■学力は、こうすれば伸びていく
今や世界最低の教育水準と家庭環境の中で、子どもたちは学んでいる。急速に進行する学力低下は、朝ごはんを食べない、夜寝ないなどの「生活力」がなくなっているのが原因だ。親からは容易に窺(うかが)い知れない学校という密室で、今、何が起こっているのか。
ジャーナリストの著者は、息子の通う小学校を通して教育現場の諸問題と向き合ってきた。そして全国の学校、教育関係者を訪ね、現場の声を聞いた。学力向上へ向けた各地の取り組みを取材し、希望の芽が育っていることも知った。いまだ失われていない子どもたちの、学びたいという気持ちをどう育てていくか。本書の中には、そのヒントがたっぷりと詰まっている。