「善い意識を持てば人間も善くなる」
(「第一章 心を見直す」より)
『孟子』の主張の特色は三点に要約できる。
一、自己の確立となれ合いの排除
二、革命の是認
三、民意の優先
現在の社会混乱は『孟子』の再登場を促しており、
今こそ『孟子』の主張を「つまみ食い」ではなく完全履行すべき絶好の時であるのだ。
(本文より)
■なぜ今「孟子」が心に響くのだろうか
国も組織もガタがきて、何も頼れなくなった乱世の時代に、密(ひそ)かに甦(よみがえ)る一冊の古典──それが「孟子」。個人が一人の人間として生きていかねばならないときに、なぜこの本が思い出され、読み返されるのか。
かつて「孟子」は革命の書、変革の書として、為政者に恐れられた。禁断の書「孟子」を載せて日本に渡る船は、沈没するとまで言われたという。なぜそれほどまでに、「孟子」は権力者に嫌われたのか。
それは、民意を優先して革命を肯定する書だからだ。本書は佐久流に読みやすく、わかりやすく訳した、まったく新しい「孟子」入門! 人生を改めて考え直したいすべての人の「救済の書」!