あの名作の舞台裏
一読、いますぐ行きたくなる
29人の文豪と温泉宿の身も心もあたたまるエピソード満載!
<本書に登場する温泉>
蔦(つた)温泉 温川(ぬるかわ)温泉 稲住(いなずみ)温泉 大沢温泉 鉛(なまり)温泉 湯田川(ゆたがわ)温泉 あつみ温泉 いわき湯本温泉 福渡(ふくわた)温泉 畑下(はたおり)温泉 七沢(ななさわ)温泉 湯河原温泉 奥湯河原温泉 湯村温泉 下部(しもべ)温泉 湯田中温泉 上林(かんばやし)温泉 角間(かくま)温泉 白骨(しらほね)温泉 湯ヶ島温泉 土肥(とい)温泉 城崎(きのさき)温泉 杖立(つえたて)温泉 阿蘇内牧(あそうちのまき)温泉
■名作誕生の秘話、裏話満載
官憲に追われる小林多喜二を匿(かくま)った男まさりで気丈な女将(おかみ)(七沢(ななさわ)温泉・福元館)。山岡荘八が、主人と終生の親交を結び、大作『徳川家康』を書き始めた宿(福渡(ふくわた)温泉・和泉屋旅館)。ヤマメ釣りの名人と出会い、井伏鱒二が釣りの基地にした下部(しもべ)温泉・古湯坊(こゆぼう)源泉館など、文豪と宿にはさまざまなエピソードが残っている。
文豪ゆかりの宿は全国に120軒ほどあるが、本書では29人にスポットを当てた。彼らが温泉を選んだのは、執筆の合間の疲れを癒すだけでなく、宿の人々の情や温泉街の情緒にも魅力を感じてのことだろう。中には田宮虎彦のように湯治場の理髪店で聞いた話から名作『銀(しろがね)心中』が生まれたものもある。読んだら行きたくなることうけあいだ。