落ちてくるナイフを素手でつかむな!
――ウォール街の株の格言
1930年代の大恐慌が、またやってくる!?
あのとき、何が起こったのか。今、何が起きているのか。
人類は80年前の大恐慌のような悲劇に突入していくのか。あるいはオバマ大統領の大胆な政策が奏功し、危機は収斂(しゅうれん)していくのか。
オバマが行おうとしている多大な財政支出を伴う「手術」にアメリカ経済という「生体」が耐えられるかどうか。
今後の明暗は、その1点にかかっている。
大規模な財政支出がドルに対する信任喪失に繋がってしまえば、いったんは回復したかにみえる株価も、次のより大きな暴落へと繋がっていってしまうリスクがあるのだ。
なんとかドルの信認を維持させながら経済建て直しの施策を講じていけば、次のより大きな暴落につながることなく危機はやがて修復に向かうだろう。
そのどちらの道をたどるのか。
2009年が今後の歴史の分岐点となる。【本文より】
■世界中からマネーが消えた。この危機から誰も逃れられない!
100年に1度と言われる金融危機は、さらなる拡大をつづけている。1930年代の世界大不況は、株価がピーク時の9分の1になって、やっと止まった。人類はふたたび大恐慌の地獄をみるのだろうか。
アメリカの家計は、6・7兆ドル(約600兆円)を越す純資産を失ったとされる。日本の家計も、株や投信の含み損が120兆円にのぼる。消費税の税収10年分以上の金がなくなってしまったのだ。
金融危機から逃れられる人はいない。企業年金は破綻し、貯金が目減りし、仕事が次々となくなっていく。誰の身にも等しく襲いかかってくる金融危機の実態を観察し、対処法を考えるための好著!