父に続き父子二代で「現代の名工」を受賞した陳建一。その道程には偉大なる父を持った宿命に押し潰されそうになった二代目の苦悩と奮闘と、そして父から学んだ訓えがあった。
麻婆豆腐、坦々麺、ザーサイ。今ではどこの中華店にもある料理を日本に広め、中華の神様と呼ばれた父・陳建民。その究極の味を追いかけ、壁にぶち当たり、挫折しかけたときに二代目の息子を救った妻の一言とは……
■父から学び、そして息子へ
「父と同じ味を追求するのではなく、自らの味を作り、おいしいと言ってもらえればいい」。そう気づいたときに陳健一は、偉大なる父を持った2代目という重圧から解放された。
彼が父の仕事ぶりから学んだこと、そして自らが次世代の息子や弟子たちに伝え残したいこと、とは。