なぜ、石見銀山が「登録」されて、平泉が「落選」したのか……
「世界遺産」と「そうではない遺産」を分けへだてるものとは、いったい何なのか??
「築30年の新しい建物が世界遺産」
「ワイン畑も世界遺産」
「興福寺の阿修羅像は世界遺産ではない」
「橋を架けたら、世界遺産が取り消し」
「富士山のゴミは、世界遺産の成否とは無関係」
……知っていましたか?
■世界遺産は、「世界のお墨付き」か?
世界遺産に登録されると、観光客やメディアが殺到し、一大観光地に生まれ変わる。そんな光景を度々(たびたび)目にしてきた。
多くの人は、国連機関による、「世界のお墨付き」をいただいたような気になっているのではないだろうか。さらに、「国宝や国立公園よりワンランク上の指標」「世界最高ランクの観光地」「国や民族の文化への国際的評価」と考える人もいるが、これらはすべて誤解だ。
世界遺産という言葉があまりにも魅力的なために、その本来の意味が見えにくくなってる。そこで、思わず感心するような逸話や知られざる現実を明らかにしながら、「世界遺産とは何か」について、わかりやすく語ったのが本書である。