家族だからできる
あなたの親にも、たしかな効果!
過去を回想するにあたって、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を刺激することも大切なことです。
「楽しい感覚、幸せ感」が出ることを専門家は大切にしていますが、それは、すなわち脳内の変化が見られるからです。そのためには五感を刺激するようなものの活用が大切になってきますし、何かを思い出すことによって、別の感覚が出てくるのも大切です。
たとえば、遊んだ野原を思い出せば、草いきれを思い出すでしょう。夕焼けを見れば、夕方独特の匂いが甦ります。お母さんを思い出せば、お母さんの服の匂い。これらのすべてが懐かしいという感情を引き出し、あの頃に戻してくれるというわけです。
(本文より)
■認知症の進行抑制に成果! 家庭でもできる「回想療法」
認知症を進行させないためには、回想療法が効果的といわれている。回想療法は、精神科のプロが研究と実践を重ねてきた治療法で、昔の写真や思い出の品を頼りに患者の記憶を刺激するもの。正しい方法さえ身につければ家庭でもできるもので、じわじわと全国に広がり、明らかな効果を上げている。
医師である著者は「学校体験を回想する壮大な仕掛け」として、介護施設「おとなの学校」を運営、回想療法による認知症治療に取り組んできた。