本土と沖縄の架け橋となった、知られざる日本人
受け継がれた上杉鷹山の精神
なぜ今も、沖縄の人から顕彰されているのか?
【本書の内容】
序 章 私と上杉茂憲との出会い
第一章 取り残された沖縄
第二章 上杉県令、沖縄へ
第三章 沖縄全土をくまなく歩く
第四章 立ちはだかる「旧慣温存(きゅうかんおんぞん)」
第五章 中央政府に上申書を提出
第六章 志(こころざし)半ばでの解任
終 章 沖縄に灯(とも)した、小さな火
■雪国の元藩主が、なぜ沖縄に?
戊辰(ぼしん)戦争で奥羽越列藩同盟の盟主として名を馳(は)せた米沢藩の最後の藩主・上杉茂憲(もちのり)は、僻遠(へきえん)の地・沖縄の県令を命じられる。
日清両属だった沖縄は琉球王国時代の古い制度・慣習がそのまま残り、人々は貧窮の底に喘(あえ)いでいた。茂憲は持てる力のすべてを投じて全県をくまなく回り、実態を調査。何度も窮状を訴える上申書を政府に提出する。
また、優秀な青年を留学生として本土に送り、沖縄に近代化の種を蒔(ま)いた。
今日、沖縄で敬愛される数少ない本土人の1人、上杉茂憲の知られざる生涯に迫る。