「イワクラの国・日本」へようこそ!
なぜ、日本人は、石に惹(ひ)かれてきたのか?
足摺半島「唐人石」(高知県)、野崎島「王位石」(長崎県)、神倉神社の「ゴトビキ岩」(和歌山県)、鹿島神宮の「要石」(茨城県)、阿蘇山麓「押戸石」(熊本県)、名草「弁慶の割石」(栃木県)、太郎坊宮「夫婦岩」(滋賀県)、榛名神社「御姿岩」(群馬県)、宮島弥山山頂の巨石群(広島県)、盛岡の「三ツ石」(岩手県)、大興寺「子生れ石」(静岡県)、東霧島神社「神石」(宮崎県)、久米島「タチジャミ」(沖縄県)、岩神神社「ゆるぎ岩」(岡山県)、竪破山「太刀割石」(茨城県)、花窟神社「玉石」(三重県)、山添村「長寿岩」(奈良県)、猪群山「環状列石」(大分県)……
■日本は、常磐(ときわ)・堅磐(かきわ)の国
聖地を訪ねる人が増えている。これは、一時(いっとき)のブームではない。日本人は古来より、こういった場所を大切にし、信仰心を委(ゆだ)ねてきた。そして石の信仰は、その最たるものだろう。
祝詞(のりと)にも出てくる「常磐・堅磐」とは、永遠に変わることのない、石の持つ力の強大さを表わした言葉だ。日本には、今も昔も、大小さまざまな石が祀(まつ)られている。
著者は、信仰の対象である「聖なる石」の姿を各地に求め、写真に収めてきた。その写真からは、感動的な出会いの瞬間が伝わってくる。