写楽は断じて、斎藤十郎兵衛ではない。
東京国立博物館、NHK、学界・専門家は、
なぜ、「写楽=斎藤」説で
無理やり決着させようとするのか
覆(おお)い隠された「写楽」の真実を暴く!
[本書の構成]
第一章 消された「写楽=北斎」説
──東京国立博物館「写楽展」の謎
第二章 ギリシャで新発見、扇面画(せんめんが)の謎
──なぜこの作品が写楽の真蹟とされたのか
第三章 やはり「写楽は北斎」であるこれだけの理由
──文献は語らず、その作品をして語らしむ
第四章 NHK「写楽」番組の欺瞞(ぎまん)
──なぜジャーナリズムは、学界におもねるのか
■写楽は、断じて斎藤十郎兵衛(さいとうじゅうろうべえ)ではない!
2007年、ギリシャのコルフ島で、写楽の署名が入った肉筆扇面画(せんめんが)が発見され、専門家はこれを真蹟(しんせき)と鑑定した。本当に真蹟であるなら、筆者の「写楽=北斎」説をはじめ、写楽別人説の多くは成り立たないことになり、近年実在が確認された阿波(あわ)の能役者・斎藤十郎兵衛説が、きわめて有力になる。
だが、この扇面画は本当に真作か。写楽がこんな絵を描くはずがない、とする筆者は、斎藤十郎兵衛説で強引に決着を急ごうとする学界・マスコミに激しく異議を唱え、あらためて北斎説とする根拠を提示する。