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「自己啓発病」社会
ジコケイハツビョウシャカイ
著者名 宮崎 学

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ISBNコード 9784396112639
判型/頁 新書判/224頁
価格 836円(税込)
発売日 2012/01/31

誰も気づかなかった
「スキルアップ」「夢」「成功」の虚妄(きょもう)!
MBA、英語力、法科大学院、IT技術……
国民総「ポジティブ・バカ」時代が、“さもしい社会”を生んだ。
日本人の精神の貧困を、いま問い糺(ただ)す!

日本人は「自助の精神」を履きちがえた
●なぜ、日本人は「セルフヘルプ」という病(やまい)に罹(かか)ったのか
●スキルアップの「三種の神器」とは
●自分探しと希望探し──「自己」は内へ、内へと向かう
●小泉・竹中「構造改革」は何を壊したか
●かくして日本は「負け組」が主流になった
●ゆがめられたスマイルズ著『自助論』の精神
●漱石が喝破していた「成功」と「独立」
●「3・11」の避難生活者たちは、いかに「自助」活動をおこなったか
●「流した汗が報われる社会」の幻
●バブルを知らない世代は、いかに「あきらめた」のか
●「勤勉と成功の時代」の終わり

■日本人が冒された「自助(セルフヘルプ)」という社会病理
「失われた20年」と軌を一にするように、日本人の間で自己啓発ブームが巻き起こった。合言葉は「セルフヘルプ」、「スキルアップ」、「夢をかなえる」……。このブームを支えたのが『自助論』という翻訳書だ。彼ら自己啓発に励む日本人は、同書をバイブルとして崇(あが)め立てた。
だが、そのバイブルは、じつは抄訳であり、原著(完全訳)の持つ精神を損ない、たんなる成功のためのハウツー集になっていることに気づく人は少ない。日本人は、いわば「ゆがめられた自助」を盲信してきたのだ。
自己啓発ブームの結果、格差は拡大し、「あきらめ感」が蔓延(まんえん)した。現代日本の社会病理を徹底的に解剖する。