事なかれ主義の世の中、異端こそが日本を変える。
この仏教者たちを見よ。―――松岡正剛
歴史のページをめくるのは、いつも「異端」だった
日本の敵は、地震や津波でも福島第一原発でも、ましてや中国やアメリカでもありません。
真の敵は、自分の中に居座っています。それが、常識です。
頑迷な常識と、敢然(かんぜん)と戦う「常識破り」の人間を本書では、「異端」と呼ぶことにします。
彼らこそが、歴史のページをめくってくれるのです。(「はじめに」より)
■「常識」という見えない壁を乗り越えるには
先行きの見えない経済不況、東日本大震災を経て、日本はいま閉塞感に包まれている。なぜ、リスクを取り、過去を捨てて変われないのか。その最大の壁は「常識」だ。いま必要とされているものは、孤立を恐れず、常識を破る力、すなわち「異端」の力である。
古今東西の歴史を紐解(ひもと)けば、この異端力こそが歴史のページをめくってきた。キリスト、ガリレオ、龍馬、ジョブズ……みんな異端だった。なかでも日本仏教の歴史はその最たるものである。私たちのなかに眠る異端力を再活性化することが、この国を再興に導くための鍵となるはずだ。