都電沿線には、東京の謎が散らばっていた
なぜ新宿駅は、東口が栄えたのか?
なぜ日比谷線は、中目黒発着?
なぜ荒川線は、早稲田──三ノ輪橋間?
本書が収録する都電の路線
1系統(品川駅前─上野駅前)───日本の鉄道史そのもの
22系統(南千住─新橋)─────“元祖1系統”だったのに…
8系統(中目黒─築地)─────東京の都市計画を垣間見る
13系統(新宿駅前─水天宮前)──新宿東口に繁栄をもたらす
10系統(渋谷駅前─須田町)───電停や路線がコロコロ変わる
17系統(池袋駅前─数寄屋橋)──池袋を発着したのはこれだけ
14系統(新宿駅前─荻窪駅前)──唯一、山手線外を西へ向かう
18系統など(三田─志村橋)───都電最長路線
荒川線(早稲田─三ノ輪橋)────なぜ、生き残ったのか
■都電でわかる東京の近代史
昭和47年、かつて全41路線を誇った都電が、いまの荒川線となる路線部分を残して廃止された。
馬車鉄道に始まり、地下鉄やバスに取って代わられた路面電車の歴史は、明治・大正・昭和と大きな変貌(へんぼう)を遂(と)げていった東京の街をみごとに映し出す。
本書は、都電史をたどるだけでなく、その形成に関わった他の鉄道、道路、都市計画、産業などにわたって、いくつもの興味深い話を教えてくれる。
そこから垣間(かいま)見えてくるのは、東京の発展や復興に賭(か)ける、先人たちの熱意と執念に他ならない。