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「靖国」と「千鳥ヶ淵」を考える
ヤスクニトチドリガフチヲカンガエル
著者名 堀内光雄
在庫なし

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ISBNコード 9784396113285
判型/頁 新書判/232頁
価格 858円(税込)
発売日 2013/08/02

なぜ、日本では戦没者の「墓」が2つに分かれているのか?
年間参拝者は……
靖国神社 約500万人
千鳥ヶ淵戦没者墓苑 約21万人

靖国神社は、日本人として国のために戦った英霊を祀(まつ)る施設である。
「靖国に祀ってもらえるから」と自らを納得させて戦死した人も少なくない。英霊のご遺族や戦友たちは、靖国に参拝することによって戦死者を慰霊・追悼できると信じている。
しかし、軍人・軍属だった英霊以外の戦没者の御霊は、少数を除いて靖国神社には祀られていない。
こうした昭和戦没者の処遇について政府が公式見解として明確に示さないかぎり、戦後処理は終わったとは言えないのではないだろうか。【はじめに】より

■さまよう霊があるかぎり、戦争は終わっていない
太平洋戦争は終戦前の半年だけで、戦没者が100万人を超えた。うち、民間人は約70万人が犠牲となっている。輸送船の乗組員の海没者の他、無差別の都市爆撃で、原子爆弾で、軍需工場への爆撃で、勤労動員中の空襲で亡くなった人々、引き揚げ途中やシベリア抑留中の死亡者も、みな等しく戦没者である。
「無名戦士の墓」である千鳥ヶ淵戦没者墓苑に安置されているのは、戦友や遺骨収集団が持ち帰り、ついに故郷に帰ることのできなかった遺骨である。
日本には氏名が判明した軍人・軍属の英霊を祀る靖国神社はあっても、民間人のすべての戦没者の御霊(みたま)を祀り、追悼する常設の施設はまだない……。