戦中のプロパガンダ作品から、現在の娯楽作品まで。
80年におよぶ、抗日映画(抗日ドラマ)の歴史から見えてくるもの──
中国では、なぜ抗日をテーマにした映画・ドラマが製作されつづけるのか?
本書に登場する抗日映画・ドラマ
『共に国難に赴く』(1932)、『悪しき隣人』(1933)、『おもちゃ』(1933)、『嵐の中の若者』(1935)、『孤島天堂』(1939)、『東亜之光』(1940)、『火の洗礼』(1941)、『天字第一号』(1946)、『春の河、東へ流る』(1947)、『松花江のほとり』(1947)、『趙一曼』(1950)、『地下道戦』(1965)『四世同堂』(1985)、『台児荘の戦い』(1986)、『晩鐘』(1988)、『鬼が来た!』(2000)、『太行山』(2005)、『抗日奇侠』(2011)、『怒りの矢』(2013)など
■なぜ抗日映画は、つくりつづけられるのか
抗日映画は、1932年から現在に至るまで、ほとんど途切(とぎ)れることなく、膨大(ぼうだい)な数の作品が製作されつづけてきた。だが、その過程は、紆余曲折(うよきょくせつ)したものである。
では、彼らは何のために、80年以上ものあいだ、同じジャンルにこだわったのか。中国や中国人を理解するための重大なヒントが、そのなかに隠されていた。