息子の得がたい体験は、日本の高校生、大学生、若い男の子や女の子の両親、教育に携(たずさ)わる方々にも興味深いものと思います。
日本が大好きな1人の国際児の体験をありのままに読んでくだされば、私たち日本人が戦後故意に忘れさせられていた大切なことを思い出すかもしれません。
永冶ベックマン啓子
■愛する息子をドイツ連邦軍に送って
一人息子が志願したのは、ドイツ陸軍の中でもっとも訓練が厳しい歩兵部隊の山岳隊だった。ドイツ人の父親も若き日に訓練を受けた部隊に入り、厳格な指導の下でカリキュラムをこなす9ヵ月の特訓が始まった。
弱音を吐いて脱落することになれば挫折感が一生残り、本人の苦しみは計り知れない……。心配する母親をよそに、18歳の息子は兵舎でさまざまな経験を積み、一人前の男となって戻ってくる。その間、息子は何を学び、何を得たのか。
本書は、詳細な情報を元に、一人の青年の成長を書き留めた日本人母の記録である。教育とは、そして国を守るとはどういうことかを考えさせられる好著!