こんな授業を受けたかった!
学校で習ってきた
大器晩成(『老子』)
→意味:立派な人は、世に出るまでに時間がかかる
↑ これは、間違い!
大器免成(郭店楚簡『老子』)
つまり、
「立派な人は、完成することがない」
が本当の意味だった。
慶應志木高校の3年生が受けた 漢文の授業内容
序 章 日本人なんだから、漢文を学ぼう
第一講 漢字の成り立ちを見てみよう
第二講 四書五経と朱子学について簡単に学ぼう
第三講 『論語』は本当に完全無欠なのか、疑ってみよう
第四講 素朴な『詩経』のすごい解釈を見てみよう
第五講 『老子』の世界観を感じてみよう
第六講 正史『三国志』を読んでみよう
第七講 歴史と物語の関係について考えよう
第八講 学問をしよう
■考える力を養う漢文の授業
漢文の授業といえば、睡魔との闘いというのが相場だった。そんな漢文も、今は授業時間がどんどん減ってきているという。著者は、漢文を日本語や日本文化のひとつと考え、学生たちがこれを学ぶ機会を与えられていない現状を憂(うれ)えている。
その授業は、『論語』や『三国志』など、古典の名文や名句の賛美に終始するものではない。漢文を学ぶことの本質とは、その読み方から考えていくことにあると教えてくれる。ゆえに漢文は、考える力を養うのに最適のテキストなのだ。こんな授業を受けたかったものだ。