なぜ、嫌われるのか?
どうすればよいのか?
私としては、「リベラル」というのは何も特殊な主義信条とか政治的理念ではなくて、
「個人の自由を大切に、でもなるべく平等、公平に」といったマイルドな考え方、
というくらいの意味で使っていた。(中略)
ところが今や、それが「過激」「危険」だというのだ。
はっきり言って、リベラルじゃなぜダメなのか、私にはさっぱりわからない。
とはいえ、「現実はそうなっている」と言うのなら、その理由を少し考えてみることにしよう。
そこで何か現代の問題の一端が見えてくるかもしれない。(「まえがき」より)
■「リベラル離れ」する日本社会
昨今、ネット上では中国・韓国を批判する書き込みが目立ち、排外的なヘイトスピーチも問題となった。
加えて安倍政権による集団的自衛権の行使容認が決まり、一連の動きを日本の「右傾化」と見る向きは多い。
その背景には、単に「保守派」「タカ派」の影響力が増しているだけでなく、リベラル派の衰退がある。
彼らの影が薄くなった要因は、他ならぬリベラル派自身にあるのではないだろうか。
端的に言えば、リベラル派は「嫌われている」のだ。
「自由・平等・公平」の実現を目指すリベラル派が、なぜ支持を集めることができないのか。
リベラル派を自認する著者が、自戒を込めてその理由と対策を探る。