ナショナリズム、歴史修正主義、国語力低下……
日本を蝕(むしば)む「反知性主義」
それに負けない強靭(きょうじん)な
「知性」を身につけるには?
「反知性主義」とは──
実証性と客観性を軽視もしくは無視して、
自分が欲するように世界を理解する態度のこと。
本書は、日本の政治が急速に反知性主義化していることに対する危機意識を背景に書かれたものである。筆者は、これらの問題を具体的に論じることを通じて、反知性主義がはらんでいる問題を浮き彫りにすることを試みている。(「はじめに」より)
■「反知性主義」に打ち克(か)つために
いま、日本には「反知性主義」が蔓延(まんえん)している。反知性主義とは、「実証性や客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」だ。政治エリートに反知性主義者がいると、日本の国益を損(そこ)なう恐れがあると、著者は主張する。
実際、その動きは安倍政権下で顕著だ。麻生副総理の「ナチスの手口に学べ」発言や、沖縄の基地問題を巡る対応などに、それは現われているといえるだろう。
本書では、この反知性主義が日本に与える影響を検証し、反知性主義者に対抗するための「知性」とは何かを考える。あわせて、本当の知性を私たちが身につけるための方法も紹介する。