70年前のあの戦争は、本当に無謀で、
無計画なものだったのか?
――科学的・合理的判断で開戦に至った陸軍の真意――
戦後、日本人は、陸軍が無謀な戦争へ走らせたのだ、とのレッテルを貼ってきた。しかし、開戦の決断はきわめて合理的な判断の下に行なわれていた事実を、知る人は少ない。
合理的な判断の主役は、陸軍だった。当時すでに戦争と経済は一体であり、経済抗戦力の比較抜きでは対外戦争は考えられなかった。陸軍は科学的な経済抗戦力研究に基づいて、合理的な戦争戦略を準備していたのである!
■負けはしない戦争だった!
70年前のあの戦争は、本当に無計画で非合理なものだったのか。開戦を決意した陸軍は無謀にも、勝算のない戦いに、やみくもに突入したのか。
そんなはずはない。近代史を研究する著者は「陸軍省戦争経済研究班」の報告書を詳細に調査し、少なくとも陸軍は、科学性と合理性に基づいて開戦に踏み切ったことを知る。「秋丸機関」と呼ばれた研究班は、第一級の英才を動員し、英米の経済力を徹底研究。報告書は大本営政府連絡会議に上げられたのだった。
報告書の真相は戦後、意図的に歪曲化(わいきょくか)され、闇に葬られた。そこには何が書かれていたのか。報告書の真の意図を探り、常識に一石を投じる驚愕(きょうがく)の研究!