巨匠が魅せられた日本の古典、伝承。
解説……武田砂鉄「『障(さわ)り』を描く」
■手塚治虫、日本文化を通して人間を描く
漫画界の巨匠・手塚治虫は、時を経(へ)てもけっして色あせない、世代を超えて読み継がれる数々の名作を遺(のこ)しました。本書は、手塚治虫が日本文化に着想を得た作品を選(よ)りすぐって、一冊にまとめたものです。
そこには、日本の古典芸能・伝承などを通して、人々の愚かさ、愛(いと)おしさ、切なさ、残酷さ、ひたむきさなど、深遠なる人間という存在が描かれています。
今や世界中の人が認めるように、漫画は、日本を代表する文化なのです。漫画がそこまでの存在になったことは、手塚治虫が、そしてこの本が証明してくれることでしょう。