信長は天才ではない
その多くは、父の模倣(もほう)だった!
謎の戦国武将にはじめて迫る――
■信秀から信長へ
織田信長は中世的権威の破壊者、近世の開拓者、改革者とされてきたが、近年その評価が変わりつつある。彼の独創的とされる戦闘方法、外交政策、経済政策、家臣統制に、父・信秀からの影響があったことを実証したのが本書である。
信秀は、守護代(しゅごだい)家臣から短期間で尾張(おわり)随一の実力者に伸(の)し上がった、戦国の出世大名の一人である。しかし、史料の少なさから、その実像は謎とされてきた。今回、信長研究の第一人者である著者が、一次史料を含む多くの史料を読み解き、信秀、信長二代にわたる事績を明らかにした。天才、魔王、革命家とまで称(しょう)された信長像は本書で変わるだろう。