そこは外国への窓であり、
政争の舞台でもあった。
「水門」「湊」「津」「浦」「泊」……
縄文から現代まで「港」で分かる日本の7000年史
海洋国家・日本を深く知るヒント
●三内丸山遺跡が示す縄文時代の海運
●ヤマト王権と東アジアの交流窓口とは
●大輪田泊――平清盛が描いた壮大な夢
●現存する最古の築港遺跡はどこ?
●博多の利権をめぐる大名たちの戦い
●「日本三津」の一つ「坊津」はなぜ終焉したのか
●豊臣秀吉によって形づくられた「水の都」
●幕府が進めた江戸湊の整備
●北前船は一度に150トンもの貨物を運んだ
●下田開港場が貿易港とならなかった理由
●近代港湾の先駆けとなった「明治三大築港」
●100年後も見据えた整備――三池港と團琢磨
●「所得倍増計画」と臨海工業地帯の発展
●グローバル経済に立ち向かう日本の港湾戦略
(本書の内容から)
■日本は「港」とともに歴史を歩んできた
「みなと」の「み」は「水」、「な」は「〜の」、「と」は「門」の意味。だから『古事記』も『日本書紀』も「みなと」を「水門」と表記した。水門には船が碇泊する。
四方を海に囲まれる日本列島にとって、古来「港」は人々の生活に欠かせないインフラとして交通・物流の拠点であると同時に、都市開発や権力闘争の舞台でもあった。本書は、(1)いつ、なぜ、その場所に港が置かれたのか。(2)港の機能や規模とその変遷。(3)さまざまな航路、取引された品々。(4)港に深く関わる出来事と人物――などを、古代から中世、戦国、江戸、そして幕末の開港、近現代に至るまで、港湾のプロフェッショナルが「港」の視点で読む斬新な試みである。