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明智光秀 残虐と謀略──一級史料で読み解く
アケチミツヒデザンギャクトボウリャクイッキュウシリョウデヨミトク
著者名 橋場日月

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ISBNコード 9784396115463
判型/頁 新書判/264頁
価格 924円(税込)
発売日 2018/09/03

その実像は信長も持て余すワルだった
●無理難題と裏切り
●比叡山焼き討ちを率先
●押領・ワイロの常習者

光秀の素顔はこんなにブラック!
【残虐】「(比叡山の麓の村)仰木(おうぎ)は是が非でも皆殺しだ」(光秀が雄琴城主に送った書状)
【強奪】「下久世(しもくぜ)庄の所領を光秀の押妨(おうぼう)された」(東寺の僧が幕府奉公人に訴えた書状)
【無理難題】「人足の提供がさらに遅れるなら、ノルマは二倍だ」(坂本城普請について光秀が関係者に宛てた書状)
【ハードボイルド】「大筒(おおづつ)の名手」(『綿考輯録』)
【ワイロ】「出張先でなにかと不便でしょうと、夜中に銭二〇〇疋(ひき)を送ってきた」(山科言継の日記)

■光秀はなぜ嫌われたのか?
明智光秀ほど、近年になって急速に評価が変わった武将はいないだろう。主君を奇襲し、弑逆(しいぎゃく)した卑怯者(ひきょうもの)だったのがパワハラ上司から不当に扱われ、ついに堪忍袋(かんにんぶくろ)が切れた悲劇の智将として描かれている。
しかし、その見方はかなり物語(フィクション)的といわざるを得ない。日記、手紙、公的文書など一級史料に見る光秀は、これぞ戦国の乱世を渡る武将といった猛々(たけだけ)しさだ。他社への同情や感傷の類(たぐい)は一切無く、自信や家の出世栄達(しゅっせえいたつ)のためには相手を容赦なく裏切り、蹴落(けお)とし、財産を奪い、血を流す。そのため周囲から嫌われていた。
つくられた虚像が一人歩きして固定化されないうちに、原点に返ることが本書のテーマである。