「真の武士道に触れた」
──なぜマッカーサーは彼を称えたのか
陸軍大将の軍人生活に見るリーダーの条件と英知
組織の中でいかに生きるべきか
人は誰でも生まれてきた瞬間から、組織の一員としての人生が待ち受けている。家族の一人であり、学校の一生徒になり、会社に入れば一社員となる。そこから逃げたくなって本当に逃げれば、一匹狼の辛さが待っている。
今村均は日本軍という恐竜のような巨大組織の中にいて、けっして自分を見失わなかった。英知に裏づけられた美しい生き方を私たちに示してくれる。
(本書「まえがき」から)
■「常勝の軍人」から学べること
ラバウルで終戦を迎えた今村均大将は禁固十年の刑に処せられ、日本に移送される。しかし、自分だけが安全な場所で服役するわけにはいかないと、部下たちが収監されているマヌス島(パプアニューギニア)行きを訴えた。それが連合国軍最高司令官、D・マッカーサーが今村均を「真の武士道」と称(たた)えた理由である。
刑期を終えた今村均は、自(みずか)らの軍人生活を綴(つづ)った回想録を執筆。その四巻にわたる回想録を支えとして、著者はサラリーマン生活を送った。本書で著者は「戦えば必ず作戦目的を達成した常勝の軍人」と評される今村均の回想録を読み解き、組織の中での生き方、本当のリーダーシップを提示する。