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大伴旅人 人と作品
オオトモノタビト ヒトトサクヒン
著者名 中西進

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ISBNコード 9784396115807
判型/頁 新書判/232頁
価格 902円(税込)
発売日 2019/09/02

令和とともに蘇る歌人
新元号の基となった、『万葉集』梅花の歌三十二首并せて序――。その作者・大伴旅人とは。有力氏族の嫡流に生まれた旅人は、藤原氏が隆盛を極めていくなか、時に政治抗争に巻き込まれ、平穏とは言いがたい一生を送った。いっぽう、酒を讃める歌、自然を愛でる歌、亡き妻や故郷を想う歌など、多種多様な歌を詠む。旅人の生涯をたどり、全作品を収録、すべて解釈つき。その人間味あふれ、悠然たる姿は、令和に生きるわれわれにも共感と静かな感動を与えるだろう。
※本書は、1998年刊行の『大伴旅人 人と作品』(株式会社おうふう)に、「新書版に寄せて」を加えて再刊行するものです。編者あるいは執筆者の了解のもと、読みやすさを考慮して文字遣い等を一部改め、ふりがなや句読点を加除しています。なお、( )は刊行当時のまま、〔 〕は今回の編集部が入れました。
以下、「新書版に寄せて」より。
要するに彼は、人間、役に立つか立たないかなどと考えながら生きるのは止めて、それを超越して生きることを、モットーとしたらしい。一々そんなことに心を苦しめるより悠然と生きるほうがよい、というのだ。その結果に必ずすばらしい生涯が残されるという信念が、人間をどれほど賢くするだろう。人間が泥まみれになって生きる醜さが、どれほどか救われるだろう。――中西 進