昭和史の再考をうながす名著
なぜ、昭和の日本人は明治・大正に比べ、外交下手になったのか。そして、被統治能力(ガバナビリテイ)を失ったのか。著者いわく、その変調≠ヘ昭和五年に始まったという。そして、軍部の暴走による「昭和の悲劇」が、明治憲法の二つの欠陥にあることを突き止める。そもそも明治憲法は、「首相」「総理大臣」「内閣」という言葉が一度も出てこない「奇妙な」憲法だった。日本が戦争に突入していった経緯を、歴史的事実を積み上げて丁寧に読み解いた名著。憲法改正論議が進む今、復刊!
※本書は平成元年に単行本、平成12年に祥伝社黄金文庫、平成23年にNON SELECTにて刊行された『日本史から見た日本人 昭和編』を新書化したものです。