なぜ、桂太郎を描くのか――。
それは、今の日本に求められる宰相だからです。桂の何がすごいのか。まず、日英同盟を結び、未曾有の国難である日露戦争を勝利に導きました。特筆すべきは「高平・ルート協定」です。これによって、日本はどの国にも滅ぼせない国となったのです。さらに、日本を二大政党制の国にしようと、余命いくばくもない体で奮闘し、道筋をつけました。国民の怒りを買ってでも、しなければならないことを断行しました。それが何かを、その後の日本人が忘れたから、大東亜戦争で敗れたと言っても過言ではありません。本書を最後までお読みいただければ、すべての読者が桂の偉大さを理解し、好きになっていることを著者として保証します。