英雄の真の姿とは?
ギリシア神話などとは異なり、日本の神話には英雄時代が存在しないと言われる。
だが、ヤマトタケルの物語は世界に誇るべき英雄叙事詩であり、貴重な民族遺産だ。
ヤマトタケルは、『古事記』では恋愛をはじめとしてきわめて人間的に描かれている。
一方『日本書紀』では景行天皇紀の三分の一ものページを割いて、各地に赴く遥かなる旅を追っている。
はたして、ヤマトタケルは実在したのか。なぜギリシア神話と似ているのか。
なぜ父・景行天皇は無理な要求を繰り返したのか。
著者は史料を渉猟し、伝説が残る地を訪ね、可能な限り実像に迫っている。
古代日本・最大の英雄の、真の姿が見えてきた!
(以下、目次より)
●実在の人間か、創造された英雄か
●ギリシア神話と日本神話の意外な共通点
●ギリシアと日本を繋いだ、ある遊牧民族
●箸墓古墳から判ること
●古代を解く鍵・崇神天皇と出雲
●双子の兄・大碓皇子は殺された!?
●草薙剣のエピソードは何を物語るのか
●東国遠征は、どこまで行ったのか
●ヤマトタケルは、こうして死んだ
●神功皇后の三韓征伐は史実か?
●ヤマトタケルを天皇として記述した『常陸国風土記』
●なぜ神武天皇を祀る神社がないのか