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立山アルペンルート 黒部川殺人事件 旅行作家・茶屋次郎の事件簿
タテヤマアルペンルートクロベガワサツジンジケン
著者名 梓 林太郎
在庫なし

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ISBNコード 9784396208318
判型/頁 新書判/248頁
価格 922円(税込)
発売日 2007/05/31

茶屋次郎、立山で名推理!
恋人を失った美女、空白の過去とは!?

〈週に五日、黒部(くろべ)峡谷を往復しています〉宇奈月(うなづき)に住む須笑子(すえこ)という女性からの手紙に興味を抱いた旅行作家・茶屋次郎(ちゃやじろう)は現地を訪ねた。そこで、須笑子の恋人が黒部峡谷で行方不明となっていることを聞く。知り合った便利屋の父娘と捜索を始めた矢先、谷底の絶壁で宙づりになった恋人の遺体を発見。自殺か他殺か? 登山経験のない彼がなぜそんな場所で? 茶屋は調査を開始するが、今度は須笑子が失踪(しっそう)した。彼女の身に何が!? 立山(たてやま)黒部を舞台に描く旅情ミステリーの傑作!

<著者のことば>
この作品を書くにあたって、黒部(くろべ)峡谷鉄道を終点の欅平(けやきだいら)まで乗った。谷底をのぞき込んでいるうち、三十年前の夏のある日を思い出した。「三度のメシより風呂が好き」という俳優のK氏と一緒に、黒部川に入って、温泉の出る場所を見つけ、石で囲い、二人だけの露天風呂をこしらえた。が、予想しなかった災難に出くわした。私たちが素っ裸になるのを、茂みの中で待ちかまえていたものがいた。アブである。牛の血を吸うような大きなやつで、その数は十や二十ではなかった。K氏と私は、タオルで襲いかかるアブを払いながら、川の中を逃げ回った。そのブザマなありさまは、高い場所から大勢のハイカーに見下ろされていた。