人間心理の盲点を突く 驚愕のトリック!
大学研究室で起きた盗難と感電死の不可解な連鎖――。
紫色の影をもつ犯人の謎――。
これぞ美しき本格! 魅惑の傑作短編5編
学園祭でにぎわう私立大学の心理学研究室で、最先端ゲームの試作機盗難事件が発生した。容疑者は研究室に出入りする人間に絞られるが、直後、近くの工事現場で、同院生が感電死する悲劇が起こった。偶然か、それとも……? 自らのプロジェクトへの協力を仰ぎに勝平愛子(すぐひらあいこ)教授を訪ねていた天地龍之介(あまちりゅうのすけ)は、解決に乗り出す。やがて見いだされるのは二つの事件をつなぐ奇妙な糸。その時浮上する、人間心理を巧妙(こうみょう)に衝(つ)いた驚愕のトリックとは!? 知的好奇心を刺激する切れ味鋭い傑作五編!
<著者のことば>
本書の中で、〈信じてはいても証明できないものbbそれに龍之介(りゅうのすけ)は挑(いど)みたいのだろう〉と書いた。これがもしかすると、探偵役や探求者が無意識に秘めている方向性なのだろうか。証明できない、ではなく、証明しづらいもの、かもしれないが。そして、ミステリー作家も……?