かつてない興奮! 驚愕のサスペンス傑作登場
そこは往(ゆ)きて還(かえ)れぬ悪夢の要塞都市!?
失踪した天才遺伝子学者を追って、究極のトラブルシューターが決死の潜入!
〈誰かに監視されている――!?〉
消えたノーベル賞級学者を追って、北の都市を訪ねたトラブルシューター水無川拓朗(みずなしがわたくろう)はずっと奇妙な視線を感じていた。そこは遺伝子工学(バイオテクノロジー)のトップ企業「クツワ」の本拠地。産業スパイと疑われたのか、拓朗は突然逮捕されてしまう。だが、連行先で愕然とする。そこは地雷原に守られ、装甲車が走り回る強制収容所だった! そう、ここは「クツワ」がすべてを支配する都市! 虜囚(りょしゅう)となった拓朗の運命は? やがて浮上する日本を震撼(しんかん)させる悪魔の計画とは!?
<著者のことば>
シリーズ前作で、主人公(?)水無川拓朗(みずなしがわたくろう)を、とても不幸な目に遭(あ)わせたのですが、刊行後に、もっといぢめなきゃ駄目じゃないかという読者のお叱りを受けました。え、そんなこと、作者(わたし)にはとてもできなぁいと悩みましたけれど、お客さまの声は天の声。心を鬼にして、とりあえず拓朗を不当逮捕させ、最悪の監獄に放り込みました。しかし、まだ足らない。うん、物質的肉体的なダメージじゃなくて、もっと精神的にも痛めつけてやらねば、ひひひっ! ……失礼しました。というわけで、できあがった拓朗受難の物語、お楽しみいただければ幸いです。