早くジョーブツしてください――
気弱な警部補のドタバタ事件簿
カリスマ・エステティシャンは死んでも商売上手!?
幽霊担当・柏木くん、メンズエステで大ピンチ！

美しい男性のための癒（いや）し空間へようこそ――
「お肌がお疲れのようですが……」ここはメンズエステサロン華鳳（かほう）。この店のNo.1エステティシャン片桐彩名（かたぎりあやな）が撲殺され、幽霊と話ができる捜査官・柏木雅彦（かしわぎまさひこ）警部補が事情聴取に。ところが幽霊になっても彩名の巧（たく）みなセールストークは健在で、逆にカウンセリングを受ける始末。それでもなんとか、彼女が握る「秘密」が事件解決のカギであることをつかんだ！　男たちの美の殿堂（でんどう）で捜査が始まるが、同僚の伊集院（いじゅういん）をはじめ容疑者は一風変わった人たちばかりで……。気弱な柏木くんの奮闘やいかに!?　快調コミカルミステリー、待望の最新作！

<著者のことば>
先日母が急死しました。死ぬとわかっていたら、ちょっとは親孝行につとめるとか、ためこんでいた苦情をぶちまけるとかもできたのですが、そんな時間もなく。まあ、余命が短いとわかっている人に厳しいことを言えたかというと、やっぱりできなかったでしょうけど。でも幽霊相手なら、ビシビシ言えるんじゃないでしょうか。何せもう死んでいるわけですし、手加減無用ですよ（たぶん）。霊感ゼロなのが残念でなりません（笑）。